平成27年度補正予算で、ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金が予算規模1,020.5億円でスタートします。この補助金ですが、平成25年度補正予算時に商業やサービス業にも門戸が開かれ、平成26年度補正予算と続いていたこともあり、だいぶ定着してきた感があります。

補助対象になる事業は、「国内外のニーズに対応したサービスやものづくりの新事業を創出するため、革新的なサービス開発・試作品開発・生産プロセス改善を行う中小企業・小規模事業者の設備投資等」とされており、特に設備投資に重点が置かれている点が読み取れます。平成25年度補正予算、平成26年度補正予算時のものと比べても、以前は直接人件費や雑役務費という人件費が補助対象になっていたのですが、今回からはこのような人件費が補助対象から除外されており、特に機械装置費という単価50万円以上の設備投資を補助しようという意図が読み取れます。

設備投資が国内で行われることで、その設備等を生産しているメーカーや、そのメーカーに部品や原材料を提供している企業、そして、それらの企業で働く従業員に仕事が発生することになりますので、多くの人々に経済的なメリットが波及的に発生することがわかっています。この補助金は国内での設備投資に対象を絞っているため、この効果を国内でもたらそうという意図が強く持っている言うこともできます。また、設備投資をした企業側にとってみても、設備投資で革新的なサービス開発や・試作品開発・生産プロセスの改善を行うことになりますので、より生産性が高まり(3~5年で付加価値額年率3%及び経常利益年率1%の向上を達成できる計画しか申請ができません)、利益が高まり、昇給やボーナスアップという形で従業員にもプラスの影響をもたらすということが想定されています。

企業としても設備投資に必要なまとまったお金については金融機関からの借入を使うことがほとんどですので、金融機関にとってみても取引拡大のチャンスとなりますし、税制上も良質な設備投資には生産性向上設備投資促進税制による支援や圧縮記帳・特別償却・税額控除等の活用も視野に入れることが可能です。

このようなストーリーを描くことができる事業計画を書けるのであれば、ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金を受けることができる可能性が高まりますので、是非ご活用頂ければと思います。

いずれも補助率は2/3になります。一般型の場合補助上限が1,000万円になりますので、消費税抜きで1,500万円以上の補助対象経費を使えば満額になります。機械装置費の他にも、範囲は狭いですが技術導入費、運搬費、専門家経費を補助対象経費として使うことができます。小規模事業者型は上限が500万円に下がりますが、一般型で認められる補助対象経費の範囲以外にも、原材料費、外注加工費、委託費、知的財産権等関連経費、クラウド利用費などを追加で活用することができます。設備投資金額が大きい場合は一般型、それほど大きくない場合は補助対象経費の自由度が高い小規模型を選択するという方法もあります。

また、IoT(Internet of Things)等を用いた設備投資を行い、生産性を向上させ、投資利益率5%を達成する計画である場合は、サービス・ものづくり高度生産性向上支援という枠を使うことができ、補助上限が3,000万円に増額されます。補助対象経費の範囲は一般型と同じになりますので、より大規模な設備投資が必要になってきます。IoTとはコンピュータなどの情報・通信機器だけでなく、世の中に存在する様々な物体(モノ)に通信機能を持たせ、インターネットに接続したり相互に通信したりすることにより、自動認識や自動制御、遠隔計測などを行うことを意味していますので、この技術を使うことで大きな生産性向上を実現していく取り組みを描ける場合は是非こちらのコースにチャレンジしてみてはいかがでしょう。

設備投資というと製造業しか使えないのかと思う方も多いかもしれませんが、サービス業においてはかなりの部分ソフトウェア開発を機械装置費として申請していますので、必ずしも有形固定資産の設備投資だけが対象というわけではありません。特に初回の公募締め切りは多くの方々が様子見になることが多く、比較的高めの採択率が出ることもあります。また、2次公募があるかどうかは初回の公募で申請があった計画書の出来具合次第ということもありますので、そもそも行われるかどうかが不明確です。金融機関と連携のうえ、早めに申請してしっかりと採択を勝ち取って頂ければと思います。