最新設備を導入すると即時償却や税額控除が認められる制度があることについてはだいぶ知られるようになってきました。これは生産性向上設備投資促進税制(A類型)という制度で、設備等のメーカーから証明書をもらって申告することで税制優遇を受けられるという簡便さから非常に人気です。青色申告を要件として、法人や個人事業で利用可能です。

しかし、この制度は最新モデルの機器や設備を導入しないと受けられないことから比較的高額の投資になりがちで、中小企業からするとなかなか手が出なかったり、そこまでの性能はいらなかったりすることも多く、大企業だけがどんどん競争力が高まっていくということにもつながっています。

実はこの生産性向上設備投資促進税制にはB類型という制度も存在しています。この制度の適用を受けるためには、利益を改善するための投資計画を作成し、税理士や公認会計士(いずれも顧問である必要はありません)の事前確認を受けた上で経済産業局に提出して確認書の発行を受け、投資計画にある投資を行ったうえで申告をするという手続きをとることで即時償却や税額控除の税制優遇を受けることができます。投資計画上利益改善に必要な投資であれば、最先端の設備等に限らず一連の投資全体が対象になるという非常に使い勝手の良い制度です。注意点は設備等の導入前に経済産業局から確認書をもらうということです。設備投資後の事後申請はできませんのでくれぐれもご注意ください。

A類型は対象となる設備等の種類が細かく決まっているのに対して、B類型は機械装置、工具、器具備品、建物、建物付属設備、構築物、ソフトウェアというように幅広い投資が対象となります。いずれも自社使用目的である必要があり、賃貸用や福利厚生用、中古、海外で使用するもの、下限金額を下回る取得価額のもの(種類により70万円~160万円程度)を除きます。

また、B類型の場合、投資計画上の投資利益率が重要な要件となってきます。中小企業(常時使用する従業員が1,000名以下の個人や資本金1億円以下の法人)は年平均の投資利益率が5%以上増加するかどうか、大企業の場合は15%以上増加するかどうかが要件になっています。中小企業の場合でこの要件を満たす投資計画を書けないような設備投資を行うケースはほとんど見たことがないので、要件をクリアするのは容易かと思います。

平成28年3月までは建物についても即時償却が使えますので、たとえば飲食店がより生産性の高い店舗を新規オープンする場合にはほとんどすべての資産を即時償却扱いにすることができたりします。他にも古くなった顧客管理システムをリニューアルするケースや、リースで借りていた古い複合機のリースが終わるタイミングで新品の複合機を購入するような場合にも使えます。さらに、自社制作も対象になりますし、建物については利益改善のための改修(資本的支出)も対象になりますので、かなり幅広く対象になることがここからもおわかりいただけるかと思います。

また、即時償却をすると赤字になってしまうというような場合でも安心です。法人の場合利益処分方式という、通常の減価償却を行った上で損益に影響のない形で申告書上だけ即時償却のメリットを受けることも可能ですので、赤字に転落して借り入れができなくなってしまうような心配もありません。

設備投資にはまとまった資金が必要となることから、銀行借入の絶好のタイミングとなります。将来生産性が向上し、利益が増える投資を行うわけですから事業上も非常に良い投資になりますし、銀行から見てもお金を貸しやすいかと思います。前向きな投資をすることで税金が一気に安くなるのであれば、借り入れをしてでもこのチャンスを活かしたいと考える方が多いです。特に儲かっている会社さんは利益率も高いので、節税で浮いたお金を運用してさらにお金を増やすことができますし、将来税金が増えるとしても、今後は法人税率自体が下がる傾向がありますので、利息を支払ったとしても十分にメリットがあります。

社長さんのやりたいことをヒアリングしながら、生産性向上設備投資促進税制(B類型)と銀行借入を組み合わせた提是を行っております。是非ご活用ください。

http://www.meti.go.jp/policy/jigyou_saisei/kyousouryoku_kyouka/seisanseikojo.html