近年パート、アルバイト、契約社員、派遣社員等のいわゆる非正規雇用の労働者の比率が高まってきています。正社員と比べて雇用が不安定という面もあってか、なかなか長期的な教育訓練など能力アップやキャリアアップの機会に乏しく、せっかく能力とやる気がある方が社内で働いていたとしても事業の成果や給料のアップにつながりにくいという面もあります。

現在、キャリアアップ助成金という制度が準備されており、これを上手に使うことで非正規雇用の方々のキャリアアップと企業の業績アップを両立させることが可能となっています。さらに、東京都においては、4月15日より東京都正規雇用転換促進助成金を創設し、非正規雇用の労働者を正規雇用等に転換した際に支給されるキャリアアップ助成金に同額を上乗せ支給するという取り組みが開始されたばかりですので、事業主からの相談が急激に増えています。

実はキャリアアップ助成金には6つのコースが準備されていて、①正規雇用等転換コース、②人材育成コース、③処遇改善コース、④健康管理コース、⑤多様な正社員コース、⑥短時間労働者の週所定労働時間延長コースに分かれています。多くの場合、①正規雇用等転換コースと②人材育成コースを使いますので、今日はこの2つを中心にご説明させていただきます。

まず、このキャリアアップ助成金を活用するためには雇用保険の適用事業所である必要がありますので、必ず週20時間以上の従業員を一人以上雇用している事業主である必要があります。事業所ごとにキャリアアップ管理者を選任し、キャリアアップ計画を策定していただきます。これを労働局に提出してからでないと対象になりませんので、早めにキャリアアップ計画を提出して頂く必要があります。

①正規雇用等転換コースは、非正規雇用の労働者(派遣社員を含む)のうちから希望者を正社員等に転換した場合に最大50万円が支給されるコースです。希望者全員を転換させる必要はなく、面接試験を課したり、人事考課での上位者などに限ったりすることも可能ですので、労使双方が望む場合に使える制度になっています。

広く非正規雇用の労働者から希望者を募る関係で、就業規則に転換制度を規定し、きちんと労働基準監督書に提出している必要がありますが、そもそも就業規則の提出義務のない労働者が10人未満の事業所は、事業主と労働者全員の連署による申立書でも要件を満たします。また、転換前に6ヶ月以上雇用している必要がありますので、一定期間の働きを見てから転換することが可能です。また、転換後定着してもらわないと意味がありませんので、転換後6ヶ月分の賃金を支給してから助成金の受給権が発生することになっています。ここから2ヶ月以内に支給申請をすれば助成金が振り込まれてくるという流れです。東京都の場合は、その後都への支給申請を行うことで東京都正規雇用転換促進助成金が振り込まれてくることになります。

有能な正社員が増え、一人あたり最大50万円(40万円)、東京都の場合100万円(80万円)が支給されますので、企業からみても大きなメリットのある制度です。なお、1年度あたり最大15名まで受給することが可能なので、上手に使うとかなりの金額になります。なお、かっこ内は大企業の場合の金額です。

②人材育成コースについては、非正規雇用の労働者の教育訓練について、経費の助成と、訓練時間の間の賃金の助成を受けられる制度です。よく使う一般教育訓練ですと、事前の計画を届け出たうえで20時間以上100時間未満の訓練を受けさせた場合、研修機関などに支払う経費等について一人あたり10万円を上限として、その全額助成金として支給されます。またその間の賃金について時給800円(500円)が助成金として支給されますので、企業側の負担が非常に軽いという特徴があります。

例えば新たに採用した有期契約の契約社員を研修に出すことで、ほとんどコストをかけずに即戦力化することも可能な助成金です。もちろん、能力を付けた契約社員の方を正社員に転換するということも可能ですので、この助成金を使うと、今までキャリアアップのチャンスが乏しかった非正規労働者の方々にとって、大きなチャンスとなります。

当社では、キャリアアップ助成金を含む各種助成金の支援を成功報酬で行っています。特にリスクはありませんのでご興味がありましたらお気軽にご連絡ください。